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キャンバスを切り裂くという手法を最初に用いたのは
1900年代半ばに活躍したアルゼンチンのアーティスト、
Lucio Fontana / ルーチョ・フォンタナ(1899年〜1968年)です。
1947年に「空間主義」という制作概念を宣言して
一色で塗り込めたキャンバスに、ナイフで切れ目を入れた
「Concetto spaziale・Attesa&Attese / 空間概念・期待」
という作品を1,000点近くも作り上げます。
ルーチョ・フォンタナは「空間主義」について、
「画家として、キャンバスに穴を穿つ時、
私は絵画を制作しようと思っているのではない。
私は、それが絵画の閉鎖された空間を越えて
無限に拡がるよう、空間をあけ、
芸術に新しい次元を生みだし、
宇宙に結びつくことを願っている・・」
と語っています。
バンクシーやドルクを初めとする、
本当に多くのグラフィティアーティストが
Andy Warhol / アンディ・ウォーホル、
Nick Walker / ニック・ウォーカーと
Martin Whatson / マーティン・ワトソンは、
René Magritte/ ルネ・マグリットへの
オマージュ作品を制作していますが、
ルーチョ・フォンタナをチョイスするセンスが
クンストラーゼンの知性とアーティストの器の大きさを
現しています。
こちらがLucio Fontana / ルーチョ・フォンタナの作品です。
「Concetto spaziale・Attesa&Attese / 空間概念・期待」
1961年制作 油彩 115.5mm × 890mm
今作でクンストラーゼンは、
「空間主義」を真っ向から否定するかのように
切り裂いた切り口を縫い合わせました。
タイトルに(Sorry Lucio)と入れるセンスも最高すぎますね。
クンストラーゼンを見ていて、アーティストというものは
絵を描くのが上手いだけではなく、頭が良くないと
なれない職業なんだなと感じます。
制作年 | 2015年 |
---|---|
エディション | 9 |
サイン | あり |
技法 | ステンシルスプレーペイント |
サイズ | 縦 400mm × 横 300mm × 厚 40mm |
コンディション | 新品 |
作品コード | kunstrasen160304 |
入荷日 | 2016年3月 |